にほんご★戦争(2006.8.3) 「『した』と『していた』の違いを簡潔に述べよ。……はい。海城君、どうぞ」 普段授業中にも滅多に掛けない俺の眼鏡を奪って、双葉せんせは首を傾げて見せた。銀縁眼鏡の双葉せんせは、髪をきゅっと高く括っていて、まるでどこかの女性教授のようだった。ただし、かなり見た目が幼い。 話によると、今朝のニュースでキャスターが「〜していた疑い」を「〜した疑い」に言い換えたらしい。それが気になっているのだ。 双葉せんせに分からない日本語のそんな文法を聞かれても、こんな海城壱哉君に分かる訳がないじゃあないですか? 「……『した』は過去に行っていたことが確認されている。『していた』は過去に行っていたことが確認されているが、それが完了しているかは分からない? 継続して何かすると『していた』?」 適当に答えたが、大きく間違ってはいないと思う。せんせは考え中。 と、そこに乱入者。双葉ファンクラブ主席・源氏だ。嬉しそうな顔で俺の肩に腕を回してくる。 「双葉先生。俺にも回答の権利を頂けますか?」 何、気取ってんだこいつは。 「では、源氏君どうぞ?」 ニッコリ双葉せんせ。源氏、何とろけてんだお前は。 「はい、双葉先生v 英語文法で言うところの、『した』は過去形、『していた』は過去進行形であると思われますv」 「「……」」 馬鹿顔のコイツがそーゆーことを言えるとは。俺は絶句する。双葉は素直に喜んでる。 「双葉ちゃんのためなら俺は神になるっ!」 ……源氏、その努力をぜひテストで見せてくれ。 ☆ 本日の試合結果。にほんご(源氏)勝利。 -レッツ☆ウォーtop- |